女性も年齢とともに頭髪が薄くなる。
そんな老化現象を喜んだり期待する人はそうそういないと思いますが、わたしはそんな奇特な一人です。
スーパーやドラッグストアの売り場や、テレビのコマーシャルで「ボリュームアップできる」商品を見かけるたびに思います。
わたしには縁遠いな、と。
とにかく昔から、髪のボリュームが多いことが悩みなんです。
ヘアゴムの消耗は人より激しいと思います。髪の多さに耐えきれず、すぐ切れます。
かわいいなと思って買ってみたバレッタも、量が多くて止まらなかったり。
雑誌を参考にヘアアレンジを試して見ても、ボリューミー過ぎてなんかちがう。
そんな悲しい経験を何度もしてきました。
ゆえに、美容室でのオーダーは常に
「軽くしてください!」「とにかく梳いてください!」でした。
そんなわたしも、出産を経て母になり、「産後の抜け毛」を経験することに……。
正直期待してしまいました。
「ごっそり抜けるよ」「排水溝つまるかと思ったわw」とまわりの先輩ママに聞いていたので「このボリューミーな髪がごっそり抜けたらちょうどよくなるんじゃないか」と。
産後半年ほど経って初めて美容室に行ったとき、その期待は打ち砕かれました。
「いやー、すごしっすね!こんな抜ける人始めて見ました!」
おそらくまだ見習いの美容師さんの心ない一言に若干傷つきつつ、カット台へ……。
ベテランの美容師さんにも「よく抜けますね」と苦笑いされつつ、「元が多いいので、産後の抜け毛でちょうどいい感じになりますかね?」となんとなく聞いたところ「それはないですね」と即答されました。
産後の抜け毛は一時的なもので、そのうち落ち着くことと、そもそも人の倍近く多いので少々抜けたところで変わりませんねという見解だそうです。
これは結構ショックでした。
抜け毛に期待する女なんてそうそういないと思いますが実話です。
もうちょっと歳を取ったらうまい具合に薄毛(それでもまだきっと人並み)にならないかと淡い期待を寄せています。
アラフォーになって肌はとっくに曲がり角を曲がったのに髪だけ元気でふさふさ、このアンバランスさが余計に老けて見える……。泣きたい。